世界も日本社会も、いま大きな変革を求められています。
私たちの地球は、ますます小さくなり、一社会の動きが瞬時に全世界に大きな影響を及ぼす今日では、グローバルな平和や地球環境の保全が至上の課題になっています。
日本社会においても、高度情報化が急進展するなか、さまざまな産業分野で成長力の低下や格差の拡大現象が顕著になり、高齢化や少子化、さらには犯罪の増加・低年齢化など大きな問題に直面し、根本的な改革が求められています。
成人式の改革は、新しい社会構築のための重要な第一歩と考えます。
わが国では、それぞれの地域や市民がこぞって次代を担う新成人の門出を祝い、励まし、新成人たちも、成人としての自覚と行動をあらためて意識する機会とする「成人式」が、国民的な行事として定着してきています。しかし、一部の新成人の行動が社会的な問題となったり、成人式の内容がその開催意義を問われるようなものである事例も少なくない、というのが実態です。
わが国の次代を担う若者たちの成人到達の式典催事は、若者たちが新しい生き方を考え、決意を新たにする節目となる重要なものと考えられます。
そこで私たちは、新世紀を迎えた2001年に、新しい時代に相応しい成人式のあり方を研究し、成人式の改善・改革を図り、その実現と普及により青少年の健全な成長、わが国伝統文化や関連産業の振興、社会の活性化と国際化に寄与することなどを目的として本研究会を発足させ、研究フオーラムの開催や優れた成人式を顕彰する「成人式大賞」の運営などの活動を展開してきました。
新成人式創造のさまざまな活動は、新しい社会を実現しつつあります。
成人式は、従来、行政側からのお仕着せ的なかたちで行なわれてきましたが、近年、主催者が自治体である場合でも、新成人たちの実行委員会が自ら企画運営したり、地域をあげて成人式づくりに協力するなど、新しい動きが急速に拡大しています。こうした新成人式創造の動きは、成人式のあり方の改善・改革はもちろん、若者の人づくり・地域リーダー育成に資するとともに、世代間交流を強めるなど活力溢れる「新しい地域社会づくり」の大きな力になりつつあります。
しかし、この流れを拡大していくためには、なお一層の研究と新たな実践活動が必要であるように思われます。各位の本研究会への特段のご支援・ご参加をあらためてお願い申し上げる次第であります。
新成人式研究会
会長 長谷川 栄